FDM 金属3D造形の試み
Flashforgeの装置を購入しました。
金属粉末をバインダーで固めたフィラメントを使用しFDM方式で簡単に金属を造形するのが目的です。
樹脂で試し造形を撮影してみましたので、ご覧下さい。
金属3Dプリンターは画期的な工法ではありますが、装置が1億前後、粉末も1kgあたり1万円~といった具合であることから、販売価格は安くても1個5万円~という高額な製品となります。国内で価格に見合う製品は、航空、医療に限られているのが現状です。私は数年間金属3Dプリンターに携わってきた経験から、国内の金属製品が3D工法に置き換わるには後10~20年はかかると考えています。
国内には中小企業が99%以上、当然既存製品を製作する設備は投資済み、となるとメーカーが外注価格を下げても中小企業はギリギリまで既存工法で対応するでしょう。この構造が変わる転機は何時くるのか?と考えると、中小企業で労働者が雇えない状況が続き、現役社員が引退する頃ではないでしょうか。既に物価上昇分を給与転換できない中小企業は労働者の確保が難しい状況になりつつあります。この先、コスト、工数のかからない3Dプリンター工法が益々注目されていくと考えています。
この様な状況を鑑みると、今のうちに金属製品を安く作る方法を確立できれば業界で優位に立てると我々は考え、FDMでの金属3Dプリンター技術開発に着手することにしました。
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工業試験場と共同で1~2年基礎データを蓄積し、3年後には製品に適用する計画です。
FDMによる造形は、3D造形後、脱脂焼結工程が必須となります。金属粉末をバインダーで固めていることから、バインダーの脱脂をして、金属だけにする工程です。脱脂すると20~30%全体的に収縮しますので、この収縮後に狙い寸法に近づけなければなりません。
脱脂後の密度、寸法をコントロールできるようになれば、安い金属3Dプリンター製品を提供でき、皆さんに一般的な工法として認知していただけるでしょう。
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